九州あちこち歴史散歩☆唐津くんち・宵ヤマ(1)1番曳山・赤獅子〜7番曳山・飛龍        サイトマップ

唐津くんち・宵ヤマ(1)1番曳山・赤獅子〜7番曳山・飛龍

   唐津くんちは毎年11月2,3,4日に行われる、唐津神社の秋祭りです。
 11月2日 宵ヤマ(宵曳山)(19時30分〜22時)
       おくんちの前夜祭で曳山に提灯を飾り、町内を曳き廻します。
       (早朝5時から曳山展示場に格納されている14台の曳山が各町内に曳き出されます。)
 11月3日 お旅所神幸(9時30分〜16時30分)
       唐津神社の神輿のお供をして進む曳山。西の浜での曳き込みは祭りの圧巻です。
 11月4日 町廻り(10時30分〜16時30分)
       町人の祭りとして火消し組の名残の法被に身を固め、旧城下町を曳き廻します。

 九州の三大祭りのひとつ(他の二つは「博多祇園山笠」「長崎くんち」があげられることが多い)とされる唐津くんちは3日の「曳き込み」「曳き出し」が特に有名ですが、2日夜の宵ヤマも提灯を灯したヤマ(山車)が美しく、とてもいい雰囲気があると聞き、2日の夕方唐津を訪れました。

 唐津は城下町で、海辺の丘にそびえるお城は町のどこからでも眺められます。車を唐津城のすぐ南にある市営駐車場に入れて、松浦川や街を眺めながら中心街をめざして歩きました。
 14台の曳山は1年間格納されていた曳山展示場から2日の早朝5時に曳き出され、日中は各町内の路地に鎮座していました。夕方5時頃から数台のヤマを見ながら、出発点の市役所方面へ近づく途中、中町の曳山にはすでに多くの曳き手が集まってお囃子を演じており、見物客も集まっていたので、ここでお囃子を楽しみました。テレビ局の撮影もありました。
 やがて宵ヤマ開始の7時半が近づくと、曳山は巡行コースの広い道路のほうに移動していきました。あたりはだんだん暗くなり、曳山に飾った提灯が明るさを増し、大変きれいです。
 1番曳山(いちばんやま)・刀町の赤獅子が先頭を進み、各町の路地に置かれた曳山は順番に従って列の中に入っていきます。だいたい数分おきに14台の曳山が提灯を灯らせて進んでいき、とても壮観です。この頃には見物客も多くなり、沿道は人があふれています。
 夜の涼しい秋風に吹かれながら、提灯を灯した曳山が町内の若者たちに曳かれていくのを見物でき、秋祭りの雰囲気に十分浸ることができました。

  唐津くんち宵ヤマの音声はこちらをクリックしてください。
  (1)宵ヤマ音声1・・・(4分40秒)


祭りの内容・日程・コース等の詳細は次のHPに掲載されています。
  「唐津観光協会
  「唐津くんちに来んね!




唐津城

   唐津は城下町です。
 この城下町の秋祭り「唐津くんち」を楽しもうと毎年50万人の人出があるそうです。



唐津くんち宵ヤマ、1番曳山・赤獅子(刀町)

  1番曳山(いちばんやま)・赤獅子(刀町)。
 曳山のトップは刀町の赤獅子が務めています。14台の曳山の順番は製作された年代順(1819-1876)とのことで、毎年常に同じ順で巡行しています。曳山にはもう1台黒獅子がありましたが、残念なことに明治時代中頃に焼失したそうです。
 博多祇園山笠や京都祇園祭りの山鉾巡行は毎年順番が変わりますが、唐津くんちの曳山巡行の順番は不動です。



唐津くんち宵ヤマ、1番曳山・赤獅子(刀町)
 
1番曳山・赤獅子(刀町)。
 前面の「祝 生誕百九十年祭」の立て札が歴史を感じさせます。この赤獅子はもうすぐ200歳になるのですね。



唐津くんち宵ヤマ、1番曳山・赤獅子(刀町)

  1番曳山・赤獅子(刀町)。
 目の上の飾りも目に見えます。目が四方に向いていて、両側で八方に向いているようにも見えます。文字通り四方八方に向いて世の中の不正を見過ごさないように務めているようです。世の中にこのような獅子が増えるといいですね。



唐津くんち宵ヤマ、2番曳山・青獅子(中町)

  2番曳山・青獅子(中町)。
 曳山のコースは唐津の旧城下町を2時間ほどかけて一周します。14台の巡行を見終わったあと、別の地点に移れば、東や西の町内を廻ってきた曳山にまた出会えます。町やコースに不案内でしたが、それでも3回は見るチャンスがありました。



唐津くんち宵ヤマ、2番曳山・青獅子(中町)
 
2番曳山・青獅子(中町)。
 祭りの服装は江戸時代の火消し装束で、歴史を感じさせます。この町内は緑の肉襦袢で下には黒の江戸腹(腹掛け)を着込んでいます。



唐津くんち宵ヤマ、2番曳山・青獅子(中町)

  2番曳山・青獅子(中町)。
 曳山は「漆の一閑張り(いっかんばり)」。粘土の型の上に数百枚の和紙、麻布を張り重ね、粘土を外した後に漆を幾層にも塗り重ね、その上に金箔、銀箔を施して仕上げてあります。すべて百数十年前に作られたものです。
 高さは大きいもので6.8m、重さは2〜3トンあり、これに10人〜20人のお囃子などの若者たちが乗っているので、重いものは5トンになるそうです。前につないだ2本の100メートルの綱を、町内の2、300人の子どもや大人が曳いていきます。




 
唐津くんち宵ヤマ、2番曳山・青獅子(中町)
 
2番曳山・青獅子(中町)。
 どの曳山もてっぺんや横に台上りの二人の若者が立って、采を振って曳子をリードしていました。数メートルもの高い場所ですが、進行中でもほとんどひもなどにはつかまらずに采を振り続けていました。




 
唐津くんち宵ヤマ、2番曳山・青獅子(中町)
 
2番曳山・青獅子(中町)。
 幼児もいでたちは一人前に、しっかりと町火消しの装束です。



唐津くんち宵ヤマ、2番曳山・青獅子(中町)

  2番曳山・青獅子(中町)。
 多くの町内で幼児は曳山の正面に乗っていました。小、中学生は大人の曳き手の前方で綱を曳きます。町によっては女子も大勢参加していました。
 肉襦袢の襟には中組を「奈可具美」と洒落ています。





唐津くんち宵ヤマ、2番曳山・青獅子(中町)

  2番曳山・青獅子(中町)。
 山車の横や後ろにはお囃子の若者が10人くらい乗って、笛、鉦、太鼓(締め太鼓、大太鼓)を奏でています。




 
唐津くんち宵ヤマ、2番曳山・青獅子(中町)
 
2番曳山・青獅子(中町)。
 どの曳山も竹笹に提灯を吊るして飾っています。
  赤獅子、青獅子、金獅子、珠取獅子、黒獅子と勇壮な獅子が五頭揃っていたようですが、黒獅子が欠けてしまったのは残念です。



唐津くんち宵ヤマ、3番曳山・亀と浦島太郎(材木町)

  3番曳山・亀と浦島太郎(材木町)。
 子どもから大人まで町の全部の世代が参加する祭りです。
 まっすぐな広い道や曲がり角では走ります。特に曲がり角は迫力があります。
 この組は材組を「左以具美」と洒落ているようです。



唐津くんち宵ヤマ、3番曳山・亀と浦島太郎(材木町)
 
3番曳山・亀と浦島太郎(材木町)。
 なかなか趣のあるデザインです。曳山の細工は翌日の日中にゆっくりと見ることができました。



唐津くんち宵ヤマ、4番曳山・源義経の兜(呉服町)
 
4番曳山・源義経の兜(呉服町)。
 最初の兜の登場です。漆黒の面と金箔の飾りの組合せはなかなかインパクトがあります。



唐津くんち宵ヤマ、4番曳山・源義経の兜(呉服町)

  4番曳山・源義経の兜(呉服町)
 前の提灯の文字は{古”具美」と洒落ているようです。



唐津くんち宵ヤマ、5番曳山・鯛(魚屋町)

  5番曳山・鯛(魚屋町)。
 みごとな大鯛です。魚屋町だから魚の代表の鯛です。これは分りやすい。



唐津くんち宵ヤマ、5番曳山・鯛(魚屋町)

  5番曳山・鯛(魚屋町)。
 唐津の町には江戸時代の名残の町名、地名が多く残っています。刀町、本町、新町、京町、弓鷹町、米屋町、呉服町、木綿町、魚屋町、大石町、材木町、水主町、坊主町などです。博多、小倉、長崎なども江戸時代の町名が多く残っていますが、最近の区画整理などで由緒ある地名がなくなりつつあります。何かさびしいですね。



唐津くんち宵ヤマ、6番曳山・鳳凰丸(大石町)

  6番曳山・鳳凰丸(大石町)。
 これはまた豪壮な曳山です。鳳凰がお宮を背に乗せています。一番大きな曳山でしょう。
 



唐津くんち宵ヤマ、6番曳山・鳳凰丸(大石町)

  6番曳山・鳳凰丸(大石町)。
 全身が黄金に輝いています。



唐津くんち宵ヤマ、7番曳山・飛龍(新町)
 
7番曳山・飛龍(新町)。
 とがった尻尾をピンと立てて、真っ赤な飛龍が近づいてきました。



唐津くんち宵ヤマ、6番曳山・鳳凰丸(大石町)
 
7番曳山・飛龍(新町)。
 通常描かれる大蛇系の龍の尻尾と異なって、魚の要素の強い尻尾です。江戸時代はまだいろんなタイプの龍がいたのでしょうね。大きな二本の角が出て、顔は迫力にあふれています。



   

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