九州あちこち歴史散歩★長崎くんち2013(3)阿蘭陀万歳(栄町) サイトマップ
午後2時ごろ、JR長崎駅「かもめ広場」で栄町の阿蘭陀万歳を見ました。 栄町は昭和52年(1977)から阿蘭陀万歳を始めたそうです。 午後4時ごろに町中で庭先回りをしている一行に出会いました。 今年の栄町の阿蘭陀万歳では長崎くんち始まって以来のことが行われました。私もまったく気がつきませんでしたが、いったいそれはなんでしょうか。 |
シルクハットに青い服の「万歳(まんざい)」、黄色い服にピエロ風の「才蔵(さいぞう)」が主人公の本踊り「阿蘭陀万歳」です。 |
奉納踊りには唐子(からこ、中国風衣裳の子供)も登場します。 |
左の二人が主人公の「万歳」さんと「才蔵」さんですが、今年の栄町の阿蘭陀万歳では、長崎くんちの阿蘭陀万歳が始まって以来の珍しいことがことが行われています。その謎とははたしてどのようなことでしょうか? (答えはページの終りにあります。) |
唐子たちの踊りが花を添えます。 |
かわいい子供たちの踊りに見物人は大喜びです。 |
胡弓や木琴も入った明清楽(みんしんがく)のお囃子に合わせて、二人のコミカルな掛け合いの踊りが始まりました。 |
「才蔵」さんの踊り |
「万歳」さんの踊り 阿蘭陀万歳の本踊りの内容は、長崎に漂着した二人のオランダ人が万歳を覚え、生計を立てるために正月に町を回って祝儀をもらっていたが、その途中、教会から鳴り響く鐘の音に思わず望郷の念に駆られる、というものです。 |
阿蘭陀万歳は、ただ滑稽なしぐさで踊るものと思っていましたが、その内容は長崎らしい異国人の望郷の念などが含まれているのですね。 |
栄町の傘鉾。 3時ごろ、浜市アーケード街で6つの傘鉾が演技を続けていました。 |
栄町の傘鉾の飾りは、四季模様を大和絵で描いた貝2組に紅葉と白菊が配されています。 |
午後4時ごろ栄町の阿蘭陀万歳の庭先回りに出会いました。 |
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前回(7年前)の栄町の庭先回りでは、私が見たときにたまたまだったのかもしれませんが、大人だけで踊っていました(本踊りの庭先回りはほとんど大人だけで回る)が、今年は唐子(からこ)もいっしょに踊っていました。 庭先回りは次から次へと休む暇もなく踊りを呈上して回るハードワークですが、この唐子たちは元気いっぱい踊りを呈上していました。 |
こちらのグループでは青い南蛮服の「万歳」さんが踊っていました。 本踊りの庭先回りでは、どの町も二つ(あるいは三つ)のグループに分かれて庭先回りを行いますが、栄町でも「才蔵」さんのグループは別のルートを回っているようです。 |
おとなの踊り子といっしょに、諏訪神社から授かった福を各家に与えて回ります。 |
異国風の「万歳」、着物姿の町娘、派手な中国服の唐子。この取り合わせもいいですね。 |
栄町の今年の「万歳」さん、「才蔵」さんの謎、わかりましたか? |
三味線の音や踊り、しゃぎりの笛太鼓のメロディーなどで、まわりに集まった見物人も楽しさを分けてもらえます。 |
「万歳」さん、「才蔵」さんの謎 本踊りは女性が踊ります。この本踊り「阿蘭陀万歳」も長崎くんちではこれまですべて女性が踊ってきました。 ところが今年の栄町の出し物ではこれら二人は男性が踊っているのです。 私はJR長崎駅で踊りを見たときに「背の高い踊り子さんだなあ」とは思いましたが、動きがとても柔らかくしなやかで、男性とは思いもしませんでした。(奉納踊りの動画で見ても同様です。) 踊りが上手なのは当然でした。この男性二人は二十歳台だそうですが、何と保育園のころから日舞を始め、現在は花柳流の名取だそうです。一人は学校の先生で、今年五島市から長崎市に転勤で戻り、子供のときからの二人組みで念願の阿蘭陀万歳に出ることができたそうです。道理で踊りが上手だったのも納得です。 長崎は芸の達人が多いですね。 |
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まわりに福を分け与えながら、いつまでも踊りが続いていました。 |
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