10月7日(前日)お下りの行列に引き続いて、傘鉾パレードが行われました。パレードの区間は市役所前から県庁手前までの一直線の区間で、平成12年から始まりました。普段、庭先回りを見ていて傘鉾を見る機会がほとんどない観光客にとっては、本当にありがたい催しです。 傘鉾は祭りの始まった当初は簡単なものでしたが、だんだん大きく華やかなものになり、江戸時代後期にはほぼ現在の形になったようです。各踊り町ごとに傘鉾を持っており、町にちなんだ飾りなどをつけ、町のプラカードの役も果たしています。 重さは130〜150キロ前後あり、6人の力自慢の担ぎ手が交替しながら、一人で担いで進みます。 「飾(だし)」は傘の上部に置かれる飾りもので、町や神社にちなんだものが多いそうです。 「輪(わ)」は傘のまわりに取り付けられる円状のもので、ビロードや注連縄、蛇籠などです。 「垂れ」は傘の周囲に下げられる幕で、豪華な織物が使われています。 詳細については 長崎くんち<長崎伝統芸能振興会>公式ホームページ に掲載されています。 |
諏訪神社の神幸行列「お下り」が通り過ぎた後、続いて傘鉾のパレードが進んできました。 最初は馬町の傘鉾です。 |
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担ぎ手は前が見えないので、棟梁が進行方向を小旗で指し示しながら先導します。 |
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ひと休みの時も立てかけておくわけにはいきません。 担ぎ手がずっと支えています。 傘の心棒には、肩当部分の横木にクッションを当てて担ぎ、手で握る横木を両手で確保します。 |
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心棒の下端には銅銭が2,500〜3,000枚くくりつけてあります。これは上部の飾りの重さとのバランスをとるためだそうです。 |
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馬町の傘鉾の飾(だし)は、馬具に弓矢・陣笠・鞭です。 輪は黒のビロードです。 |
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町の法被の図案は馬の絵に馬町の文字です。 馬町は諏訪神社の門前にある町で、長崎街道の入口付近に公用の荷物を運ぶ馬がいつも待機していて、それらの馬を手配する町として発展してきました。昔の流通のターミナルだったわけですね。 |
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東濱町の傘鉾です。 |
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飾はいったいなんでしょうか。 鳥の羽根か狐の尻尾みたいなものの中に三重の塔のようなものが建っています。 輪は黒のビロードです。 |
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垂(たれ)の幕は朱色地に金波が描かれています。 |
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担ぎ手は見るからに力がありそうですね。 担ぎ手は専門職で、6つのグループが受け持っているそうです。 |
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飾は吉兆の蜃気楼(しんきろう)を表現しています。 海のかなたに、あるはずのない建物や船などが浮かび上がる蜃気楼。Mirage。蜃気楼がなぜ起こるのかわからなかった時代には、海の蜃(蛤、貝)の吐き出す吐息によって楼(高い建物)が形づくられると信じられていました。今もその当時の漢字がそのまま使われています。「貝やぐら」ともいい、吉兆とされました。 飾はその吉兆を表現しており、2個あるうちの一方の蛤が大きな吐息を空中に立ち上らせ、その中に楼(竜宮城)が現れています。 |
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傘鉾が回り始めました。 |
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八坂町の傘鉾の登場です。 |
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飾はビードロの松に紅葉、白木の鳥居です。 鳥居があるので、輪は注連縄です。(飾が神様、神社に関係あるもののときは注連縄) |
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鳥居の上に白い鳥が一羽止まっています。 |
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パレードの何か所かで傘鉾回しが行われました。 |
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観客から「フトーマワレ」の声援がとびます。 幕の裏側は三階松の模様です。 |
銅座町の傘鉾がやってきました。 |
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飾は老松の下に銅製の灯籠、その横に秋の紅葉です。 輪は注連縄です。 |
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注連縄にもいろいろ趣向が凝らされていますね。 幕には金糸銀糸で豪快な波濤が刺繍されています。昔、銅座町は海辺にありました。 |
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まわりは見物人でいっぱいです。 |
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銅座町では永楽通宝などの通貨を鋳造していたそうです。 |
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築町の傘鉾が登場しました。 |
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飾は松に菊、前方に三日月です。 輪はビロード。 |
幕はいかにも歴史を感じさせる織物です。 心棒には銅銭が下がっています。 法被の背中には築の字と三日月、その下には三日月が横に並んでいます。築と月をかけて洒落ています。 |
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ここでも傘鉾が回っています。 |
声援に応え、何回も回ってくれました。 道端に何重にも並んだ見物人から声援が飛びます。 傘鉾パレードで今年の踊り町の傘鉾をゆっくり見ることができて、私は大満足です。 |
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