九州あちこち歴史散歩★山鹿灯籠まつり2006 サイトマップ
8月15,16日は熊本県山鹿市で山鹿灯籠まつりが行われます。 15日は夕方、おまつり広場や演芸会場他の会場で、山鹿太鼓演奏や灯籠踊りがあり、また夜は花火大会も開かれます。 16日は大宮神社の神事のほか、おまつり広場などで灯籠踊りがあり、また有名な千人灯籠踊りが行われます。 行事日程・会場などの詳しい内容はこちらに掲載されています。 山鹿市観光課の「山鹿探訪ナビ」HP 山鹿市は、熊本(隈元)と豊前小倉を結ぶ豊前街道の宿場町として栄え、温泉が有名です。菊池氏の一族山鹿氏が戦国時代まで治めていました。 16日午後、私は九州自動車道の菊水ICで降り、16号線を東に進み、20分程走って「緒方モータース」のある角で左折して315号線に移り、道なりに進めば、やがて臨時駐車場(千台?収容できそう)のあるグラウンドに到着しました。(臨時駐車場は他に、市街地の北、東にも設けられています。) 「緒方モータース」の左折地点には、会場からまだ遠い地点なのにかかわらず、係りの人が2,3人いて道案内をしていました。また、臨時駐車場には多くの係りの人がいて丁寧に案内し、スムーズに無料送迎バスに乗り換えることができました。山鹿市民のみなさんがこの祭りを大事にし、訪問客に親切に対応しているのを感じました。 16日は夕方18時45分から「千人灯籠踊り」があるので、それまでの3,4時間は山鹿の町を散歩しました。町中の案内所に「千人灯籠踊り」の有料スタンド席券がまだ残っていたので、高い場所からの方がよく見えるのかな、と思い、わずかに残っていた券を購入しました。(一般無料席はグラウンド内に十分スペースがとってありますが、見物の対象が花火や山笠と違ってグラウンド上の踊りなので、やや早めに会場に行かれることをお勧めします。) |
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私が知っているのは、一枚目の写真の「千人灯籠踊り」です。知っているといっても、たまにテレビで放送されるのをチラっと見るだけですが、なかなか優雅な感じで、一度見たいなあと思っていました。 もうひとつ知っていたのは、踊りのとき頭につける灯籠です。これを頭上に載せて優雅に踊るシーンは見ましたが、近くで見たことはありません。(この灯籠を金(かな)灯籠というそうです。) まず「山鹿灯籠民芸館」を見学し、そこで灯籠について知りました。 山鹿灯籠には、この金灯籠のほかに、神社仏閣や建物を精巧に作った灯籠があり、いずれも紙と糊だけで作られています。 町内ごとに灯籠師に作成依頼して神社などの灯籠を作り、それを大宮神社に納めるのが本来の神事だそうです。その由来は景行天皇の時代まで遡るそうです。(景行天皇は西暦82年から89年まで九州を平定巡幸したといわれています。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の父です。) 『その昔、菊池川一帯にたち込めた霧に進路を阻まれた景行天皇のご巡幸を、山鹿の里人がたいまつを掲げてお迎えしました。以来、里人たちは天皇を祀り、毎年たいまつを献上し、室町時代になって、和紙で作られた灯籠を奉納するようになったといわれています。金灯籠を頭に載せて踊る千人灯籠踊りも、それに由来しています。』 (山鹿市のパンフレットより) |
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神社や建物の山鹿灯籠です。 左は山鹿大宮神社。 中央は鞠智城(八角形鼓楼)、右は鞠智城の米倉。 鞠智城は、西暦663年白村江の敗戦の後、唐・新羅連合軍の侵攻を防ぐために造られた古代山城。同時期に大野城、基肄(きい)城、金田城、水城などが造られました。 |
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左は大石神社。右は古式台灯。 なんとも精巧な細工である。 |
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熊本城を模した山鹿灯籠。 天下の名城熊本城の大天守閣を実物そっくりに作ってあります。 |
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山鹿灯籠「さくら湯」 江戸時代に肥後国を治めていた細川の殿様もさくら湯を利用していました。 『この灯籠は、紙と糊だけで作られ、実物の1/30の設計、高さは20%増しにして見栄えをよくしているものの、他はまったく実物にそっくりで、瓦からタイル1枚に至るまで実物と同数、柱の角寸まで合わせている。 制作 灯籠師 徳永正弘 1974制作(2006改修)』 (説明文より) この建物はすでに取り壊されていて、玄関部分のみが残されて、新しいビルの温泉部分に取り付けられています。 |
うちわの制作実演も行われていました。 天然の竹を使い、すべての工程を手作業でつくるうちわは、現在ではめったにお目にかかれないだろう。 |
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「山鹿灯籠民芸館」の天井から、無数の金灯籠が下げられています。 |
現在の「さくら湯」 ビルの中に存続していて、入口は江戸時代の建物がそのまま使われています。 |
「大宮神社」に参拝しました。ここに各町内で作成された山鹿灯籠が奉納されます。 このあたり一帯に、イベント会場や千人灯籠踊り会場があります。 灯籠民芸館やさくら湯、八千代座などを見物し、大宮神社のあたりを散歩しました。 |
神社の境内に灯籠踊りのグループが来て、踊りの打ち合わせなどを始めました。 見物の人たちが大勢集まり、私も1枚写真を撮らせてもらいました。 金灯籠も映えています。浴衣もなんとスッキリした柄でしょうか。右肩を脱いで、下のピンクの袖を出していて、その色合いもすばらしい。 |
大宮神社の前に勢ぞろい。 もうすぐ大宮神社参道のイベント広場で踊りが始まるようです。 |
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イベント会場では、高校生による「おてもやん」の踊りが始まりました。 その後待っていた灯籠踊りが披露されました。 「よへほ節」に合わせて優雅に踊られます。 主(ぬし)は山鹿の骨なし灯籠 よへほよへほ 骨もなけれど肉もなし よへほよへほ (「よへほ節」) |
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優しく美しい踊りが続きます。 洗いすすぎも鼓の湯籠 よへほよへほ 山鹿千軒たらいなし よへほよへほ (「よへほ節」) 山鹿は温泉が豊富で、湯がどこからでも湧くので、どの家もたらいはいらなかったようです。 |
千人灯籠踊りの会場へ移りました、といってもすぐ隣のグラウンドで歩いてわずか数分の場所でした。 日暮れとともに、山鹿太鼓、子供みこしなどの催しが始まりました。 |
いよいよ「千人灯籠踊り」の開始です。 千人ともなれば入場だけでも時間がかかります。しかし、日はとっぷりと暮れ、灯りのともった金灯籠が美しいので、歩くのを見ているだけでも絵になります。 やがて、全員が揃い、踊りが始まりました。 暗闇の中で千個の灯籠の灯りが揺れ、幻想的な風景です。 |
灯籠の灯りがゆらゆらと揺れ、大きな輪となって少しずつ回ります。 全員同じ柄の浴衣に、金灯籠、背中にうちわをさしています。浴衣の柄は「よへほ節」の歌詞のようで、スッキリとして、涼しげな柄です。 |
山鹿灯籠は夜明かし祭り よへほよへほ 町は灯の海 人の波 よへほよへほ (「よへほ節」) 優雅な踊りもだんだんフィナーレに近づきます。 このような踊りをゆっくり楽しめるのは、なんと幸せなひとときなのだろうと実感しました。 |
祭りから帰ってからも、しばらくは、踊りの灯りの輪が浮かんできました。 |
優雅な盆踊りを見たいとき、心を癒されたいときは、また山鹿灯籠踊りを見に行こう。 |
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