11月23日、3年ぶりに熊本県八代市の妙見祭に出かけました。 前回は朝7時半に塩屋八幡宮を出発する神幸行列、妙見さん(八代神社)の賑わいや神社のすぐ近くの宮地小学校の傘鉾や亀蛇の集合展示などを楽しみました。 前回は午後1時ごろに砥崎の河原に行ったところ会場は十重二十重の人の波で、一番後ろから眺めるのが精一杯で、写真などはほとんど撮れませんでした。しかし、馬追いの演技はとても面白く、今年は天気も良さそうだったので再び出かけました。 今年は、午前中はハーモニーホール広場で、午後は砥崎の河原で神幸行列や特に飾り馬の馬追いを楽しみました。 年に一度のハレの日、祭りに元気に参加できる幸せを噛みしめながら自然にこぼれる笑顔が、沿道の見物客に元気を分け与えてくれます。 たくましい男性の笑顔、馬追いの時の真剣な表情、輝くばかりの女性の微笑み、亀蛇や馬の笑顔など、笑顔がいっぱいの楽しい祭りを楽しみました。 神幸行列の様子や、妙見祭の起源、妙見宮を復興させ祭りを盛んにした八代城主細川忠興公のエピソードなどについては 2010八代妙見祭 のページもご覧下さい。 祭りの詳細は 熊本県八代市妙見宮大祭(八代妙見祭振興会)公式HP にわかり易く掲載されています。 |
9時ごろにハーモニーホール広場に行ったら、既に見物客でいっぱいでした。 籠についている護衛の一団です。籠にはかわいい稚児さんが乗っています。 |
神馬(しんめ)が登場しました。神馬には飾りはつけないそうです。 今年の神馬は抽選により「宮地親友会」が引き当てました。 男の勢子のみなさんの衣裳がすばらしいですね。 |
勢子には元気のいい女性も参加しています。(飾馬の全ての奉納団体にそれぞれ10人〜20人くらいの女性勢子が参加して、広場の馬追いや砥崎河原の川の中での馬追いに勇敢に挑戦していました。) 宮地親友会の女性は全員胸に草履をつけていました。それぞれにいわくがあるのでしょうね。 |
馬追いが始まりました。 馬の横に二人、後ろの綱に二人の勢子がつき、弾き飛ばされないように、また引きずり倒されないように全力で駆けていきます。馬と人との力比べ、駆け比べです。 |
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この馬追いに女性の勢子も挑戦します。 女性はだいたい引きずり倒されるのですが、その勇気にまわりからやんやの喝采です。 |
神馬奉行は馬に乗って登場です。 |
笠鉾「西王母」(通町) |
笠鉾「恵比須」(徳渕町と渕原町)の曳き子 何か緊張していますね。 |
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にっこり微笑が出てきました。 笠鉾「恵比須」の子供たちはみんな髪に鯛を飾っています。 |
今年は新しく「流鏑馬(やぶさめ)」の一団が創設されたそうです。 |
「流鏑馬」の団員の法被もすばらしいものが作られていました。 今年は矢を射る実演はなかったが、そのうち見事な実演が見られることでしょう。 |
JR八代駅前でも神幸行列の演舞が行われていました。 |
球磨川はここから下流は川幅も広がり、数キロで八代海に注いでいます。 上流は九州山塊に連なる山々の間を流れ、道路も川に沿って伸び、中流に位置する人吉市から南に進めば鹿児島へ、東に進めば宮崎に通じています。 |
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種田山頭火の句碑 「このみちや いくたりゆきし われはけふゆく」 (私の歩いているこの道を幾人の人が歩いて行ったことだろう。私は今日、こうして歩いている。) (山頭火日記「行乞記」 昭和5年) 高倉健主演の映画「あなたへ」の最後にこの句が使われていました。 山頭火は自由律俳句で有名な放浪の俳人ですが、熊本を愛し、九州を行乞しながらさすらって歩きました。 八代市の日奈久温泉にも逗留し、「温泉はよい、本当によい、ここは山もよし、海もよし、できることなら滞在したいのだが…、いや、一生動きたくないのだが…」と賞賛しています。 山頭火も海岸沿いに鹿児島へ、またこの球磨川沿いに九州山系を越えて宮崎へ何回か歩いたことでしょう。 人生はまさに旅ですね。 「分け入っても分け入っても青い山」 「また見ることもない山が遠ざかる」 「笠にとんぼをとまらせてあるく」 「けふもいちにち風を歩いてきた」 「この旅、果てのない旅のつくつくぼうし」 「うしろすがたのしぐれていくか」 |
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「萩原天満宮の大銀杏」 山頭火の句碑の横に無数の枝を伸ばして聳えていました。 |
亀蛇(きだ)(愛称ガメ) 広場で走ったりグルグル回ったりの演舞を披露してくれました。 法被のデザインは亀甲に「出」の文字で、亀蛇を保存運営している出町を表しています。 |
飾馬(かざりうま)(花馬)が登場してきました。 今年の一番飾馬は「秀岳館高校同窓会」奉納です。 |
馬に振り切られないようにしっかり手綱を持って走っています。 |
祭りを前にして頭を絞り、少しでも見物人を楽しませようとする人がそれぞれのグループに2,3人ずつはおられるようですね。 この「お祭り男」さんの頭の向こう側には妙見さんの神紋「丸に二引両」と「細川九曜」がデザインされていました。お祭りを盛り上げようとする遊び心に拍手です。 |
秀岳館高校同窓会の追い馬 後ろの綱の一人はどこかに吹っ飛んでしまって姿がありません。(右隅に転んでいました。) |
「ドー、ドー、ドー」人と馬の力比べです。 |
「九曜」紋に馬の文字の法被は「妙見宮子供飾馬」のグループです。 数十人の子供たちが参加していました。 |
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子供たちが奉納している馬はかわいい二頭のポニーでした。 |
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飾馬の馬追いが終わった後、子供たち全員で見物人に縁起物のお菓子などが配られます。 手前の人が手にしているのは妙見宮の縁起物で、家に飾り家族の無事安寧を祈ります。 |
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