九州あちこち歴史散歩★博多祇園山笠2012・追い山ならし(1)「山留め(1)」        サイトマップ

博多祇園山笠2012・追い山ならし(1)「山留め(1)」

   7月13日午後、博多祇園山笠の「追い山ならし」を見物に出かけました。
「追い山ならし」は毎年7月13日の午後4時(正確には3時59分)から行われ、15日早朝の「追い山」とほとんど同じ内容です。
(舁き山が走る距離が追い山より1キロ短く、4キロのコースになるだけです。15日早朝の追い山を見るのが無理な場合は、この追い山ならしを見物すれば追い山の迫力を楽しむことができます。)

 私は午後3時ごろ、まず櫛田神社に行き、「山留め」付近で待機中の舁き山笠とそのスタートを見、七つの流が全てスタートした後、近くの「ごんどう通り」(広い大博通りから冷泉町に入った狭い通り)に移りました。一番山笠の千代流は通り過ぎた後でしたが、次の二番山笠の恵比須流から、狭い通りを駆け抜ける迫力一杯の舁き山笠
(かきやま)を楽しむことができました。

「追い山ならし」の開始は午後3時59分ですが、午後2時から2時半ごろに各流
(ながれ)から舁いてきた舁き山笠が山列入りをして、今年の山笠の順番通りに「山留め」の通りに並びます。
 3時ごろには、各流の「先走り」の子どもたちや大人の舁き手たちが各流の町ごとに続々と集まってきて、いよいよ追い山スタートの緊張感が高まってきます。



   町から駆けてきた舁き手の一同は先ず櫛田神社に参拝して御祓いを受けます。


   3時ごろになると「先走り」の子どもたちが各町から駆けつけます。
 幟(のぼり)を持って走っているのは女の子のようです。元気さでは男の子に負けていませんね。


   幼児もたくさん参加しています。
 世話をするのはおじいちゃんがほとんどです。(お父さんは流全体や舁き山笠の担当で忙しいためです。)


   先走りの子供たちや大人の舁き手たちが続々と駆けつけます。
 「オッショ、オッショ」の掛け声をかけながら、全員駆け足で自分の流に入っていきます。
 (舁き手の中心部隊はすでに舁き山笠を舁いて到着しています。)


   追い山に参加するのは一番山笠〜七番山笠の七つの流です。
(他に八番山笠上川端通りが「走る飾り山笠」を奉納しますが、追い山のコースは走りません。)
 流はそれぞれ十前後の町(太閤秀吉が博多の町づくりをしたときの町が基本)で構成されていて、舁き手や子供たちは各町ごとに駆けつけてきます。(このグループの幟には「千代流 三丁目八区」と染め抜いてあります。)


   待機中のひとときです。
 いったんスタートしたら、博多の町を5キロ(きょうは4キロ)走り抜かなければなりません。後ろからは舁き山笠が全力で走ってくるので、休むわけにはいかないのです。


   山留めには7基の舁き山笠が並び、舁き手や見物人も増え、次第にスタートの緊張感が漂ってきました。


  おじいちゃんに肩車された幼児は威風堂々、まるで総指揮官のようです。
千代流の舁き山笠の表の標題は「天翔覇王夢(あまかけるはおうのゆめ)」で、織田信長が主人公です。


   次から次へと子どもたちが集まってきます。
 各流の先走りの子どもたちは数十人から百人前後でしょうか。(15日早朝の追い山はもっと数が多い。)
 各流は800人〜1,000人の人数で博多の街を駆け抜けます。
 子供たちもすべておとなと同じ「締め込み」姿で、全員腰に「舁き縄」をつけます。男女の区別はありません。


  ゆっくりしておれるのも、待機している今のうちだけです。
この後、おとうさんは舁き山を舁き、子どもは「先走り」となって流の先頭に立って博多の街を走らなければなりません。


   仲良し3人組です。
 最近は2メートル近い「招き板」(先頭を進む町名を書いた板)や幟を持って走る元気のいい女の子も目にすることが多くなりました。





  スタート5分前、一番山笠千代流がスタート地点に前進していきました。
五分ごとに各流がスタートしていきます。(一番山笠は3時59分にスタートして、境内で「博多祝い唄」を唄うので、一、二番山笠の間隔だけ6分になります。)
千代流の舁き山笠の見送りの標題は「勢竜吉祥瑞(せいりゅうきっしょうのしるし)」で、金色の竜が天に昇っています。


  二番山笠恵比須流の先走りの子どもたちも前につめてきました。


  スタート地点に進んだ千代流の舁き山笠の金色の竜は見送り(後ろ)側で、こちらにも三人の台上がりが座っています。
右側に「山留め櫓(やぐら)」があり、そこから横に伸びた竹棒を上げてスタートの合図にします。
向こう側の櫛田神社広場入口にも櫓があり、そこで各流の「櫛田入り」の時間を計測します。


  一番山笠がスタートし、二番山笠恵比須流の舁き山笠が山留めに進みます。


  舁き手が担ぎ上げた舁き山笠を後ろから強力に押し、1トンの舁き山笠が前進するエンジンとなります。


  三番山笠土居流の子どもたちが前につめてきました。
大きな子どもは自分たちの町名を書いた「招き板」を持って走ります。


  先走りの子どもたちの後ろには数百人の舁き手が続き、その後ろに土井流の舁き山笠が待機しています。


  この赤ちゃんは生後半年くらいでしょうか? おじいちゃんが大事に抱えています。
子どもの健やかな成長を願って、全コースを舁き山笠といっしょに走るのでしょうか。


  三番山笠土井流の舁き山笠が山留めに進んできました。


  櫛田入りに際しては舁き山笠の前に3人、後ろに3人の台上がりが座ります。


  土井流の後押しは前の人の背中を押しています。背中を押すのは土居流だけです。(他の流は腰を押す。)




   

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