7月3日午後、雨の心配もなさそうなので天神界隈、渡辺町、博多駅の飾り山笠を見物に出かけました。 博多祇園山笠の祭りにおいては子どもも重要な役割を担っています。各流でほぼ毎日行われる行事にも子供の役割があり、特に後半、9日のお汐井とり、10日以降の舁き山笠の先走りなどに連日参加します。 新天町でちょうど子どもの舁き山笠「子供山笠」に出会いました。 将来、博多の祭りを継いでいく子どもたち(主に小学高学年生)に、山笠の楽しさを実感させるために指導を続け、子どもの舁き山笠「子供山笠」を走らせているのは博多小学校(博多流)、千代小学校(千代流)、新天町(新天町流)の3流(グループ)で、子供山笠が町中を走るのは今年は7月2、3日(千代流は1〜3日)です。 (毎年7月1〜8日の土、日曜日に行われるようです。) 子供山笠は本物の舁き山笠の三分の二くらいの大きさだそうですが、全員水法被に締め込み姿で、先走り、舁き手、後押しのグループに分かれ、前に5人、後ろに5人の台上りを交替で乗せ、子どもたちが担いで走ります。本格的な舁き山笠で、おとな顔負けの迫力です。 かわいい子供山笠は見物客にも大人気で、多くの人が取り巻いていました。 |
新天町の飾り山笠の近くで、新天町の「子供山笠」が出発の準備をしていました。 正面には5人の子どもたちが「台上り」しています。下級生が交替で乗せてもらえるようです。 |
午後3時出発です。「1分前」の声が響きました。 |
「30秒前」 前を見つめる真剣なまなざしもおとなに負けてません。 |
「勢い水(きおいみず)」がざんぶとかけられます。 |
「スタート!」 歯をくいしばって担ぎ上げます。舁き山笠には車はついていないので、完全に担ぎ上げないと前に進みません。 大人の舁き山笠の三分の二の大きさですが、上に10人の台上りを載せています。これを子どもたちの力で担いで走ります。 この日櫛田神社にいた人が、子供山笠が「櫛田入り」をやって、3回まわったと言っていました。子供山笠で櫛田入りするのは「博多流」の山笠だけのようで、舁き手が交替して清道の旗を回ったようです。「新天町流」は新天町周辺をまわり、博多地区には入らないそうです。 |
後ろにも5人の子どもが乗っています。 先走り、舁き手、後押しのそれぞれにたくさんの女子も参加しています。 山笠の楽しさを実感し、やがて「やまのぼせ」の旦那さんに理解を示すやさしい「ごりょんさん」になることでしょう。(やさしくて強いのです。) |
舁き山笠は舁き手が重たい山笠を持ち上げ、それを後ろから強力に押すことで前進します。 後押しの姿勢も堂に入ったものです。しっかりとからだを前傾させ、みんなの力が前に伝わるようにしています。相当練習を重ねたのでしょうね。 |
新天町のからくり時計 子供山笠に気を取られていたら、からくり仕掛けが終わって閉じかけていました。 |
新天町からソラリアへ向かっていたら、また新天町の子供山笠に出会いました。前後の10人の台上りを交替しながら進んでいるようです。 |
ひと休みのようです。 寸断なく「勢い水」がかけられ、ビル街のどまんなかで水遊びができます。 |
今は梅雨時、集中豪雨も襲ってきます。子どもたちは水遊びが大好きです。人間は海から生まれて進化した生物であることがよくわかります(?)。 |
子どもたちの中で、中央の前の子が最年少だったようです(3才くらい?)。 ゆるんだ締め込みを締めなおしている(?)お兄ちゃんのようすを不思議そうに眺めています。かわいいですね。 子供山笠では舁き手以外は舁き綱をつけていませんが、大人の舁き山笠に先走りとして参加するときには、子供も全員舁き綱をつけます。 |
さあ、行くぞー。オイサ、オイサ。 子供たちは身長の差が大きいので、高学年生は大変ですね。 でも、意気込みではおとなの舁き山笠に負けていません。 「鼻取り」も進む方向を見定めながら、しっかり引っ張っています。 |
新天町の子供山笠の標題は「アニメ美食屋トリコ」です。 |
「さあ、次のポイントまでがんばれ!」と声をかけたくなりますね。 この舁き山笠(かきやま)に10人も載せたら結構重たいですよ。 舁き手は棒をつかんでいるわけではありません。棒に舁き綱を巻いてそれをしっかり持っています。足がからんでこけそうになったときには、舁き綱にしがみついて離さず命を守るのです。舁き綱は舁かないときは腰に挿しています。 女の子も舁き綱を棒に回して舁き、また後押しとなってそれを押しています。元気一杯です。 手前中央の太い綱を握っているのは「鼻取り」です。「鼻取り」は前後の四周に4人がついて進む方向をコントロールします。 |
しっかり前に押せ! 後押しがしっかり押さないと舁き山笠は前に進みません。 |
体制を立て直して、これから大通りを進みます。 |
さあ、出発! 後押しはしっかり前の子の腰を押し、子どもとは思えない迫力です。 |
子どもたちのかわいい山笠を見ようと大通りにはたくさんの見物客が押しかけています。 |
大通りを走る「子供山笠」に勢い水がかけられ、見物客の声援を受けながら元気よく進んでいきます。 |
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