九州あちこち歴史散歩★風治八幡宮・川渡り神幸祭(1)                   サイトマップ

風治八幡宮・川渡り神幸祭(1)

  5月第3土曜日と翌日曜日に福岡県田川市で風治(ふうじ)八幡宮の川渡り神幸(じんこう)祭が行われます。
一日目は風治八幡宮で神事を終えた神輿、山笠(ヤマ)が彦山
(ひこさん)川の東にあるお旅所までのお下り神幸が行われ、翌二日目はお旅所から風治八幡宮へのお上り神幸が行われます。
2基の神輿、11基の山笠は途中の彦山川の中を約1時間ほど練り歩き、お旅所へ向かいます。
上部を5色や7色のバレンで飾った2〜4トンの重さの山笠が、川の中でガブリながら練り歩くさまは勇壮で美しいものです。
永禄年間(1558-1569)、疫病がはやったときにその退散祈願成就の御礼に山笠を建立し、神幸にお供奉仕してこの祭りが始まり、450年の伝統があるそうです。
夏祭りの先頭を切る祭りの一つで、筑豊地域を代表する祭りです。福岡県指定無形民俗文化財第1号に指定されています。

私は一日目に行き、市役所駐車場(800台可能)に駐車し、15分おきに出ているシャトルバスで会場近くに着きました。駐車場、バスともに無料で、スムーズに会場に到着することができました。

 祭りの詳細は 川渡り青年友志会「風治八幡宮川渡り神幸祭」HP に掲載されています。



  バレン
山笠の上部に5色や7色のバレンが130本から200本飾られています。
バレンの配色や本数はそれぞれの山笠によって異なり、各地区でみんなが協力して作ります。
動くたびにバレンが揺れて、祭りに彩を添えます。



  香春岳(中央右側の大木の切り株状の山が一ノ岳、左側へ二ノ岳、三ノ岳)
五木寛之さんが「青春の門」の冒頭で「香春岳は異様な山である。」と記した風景です。
491メートルあった一ノ岳は、セメントの原料となる石灰岩が削られて、半分の高さになってしまいました。現在はセメント工場はありませんが、製紙工場で使う石灰石の採掘が続けられています。次に二ノ岳も採掘が始まるとか・・
「愚公山を移す」という言葉がありますが、山も本当になくなるのですね。



  風治八幡宮入口
古くは伊田大神といい、海津見神(海、航海の神)を祀っていたそうです。



  風治八幡宮本殿
神功皇后も祈願された由緒のあるお宮だそうです。



  会場の彦山川河川敷
JR田川伊田駅の近くの番田河川敷が祭りの会場となります。
上方の川が彦山川。架かっているのは新橋。上方が南東方向で、この上流(南方向)に霊山彦山があります。
川渡り神幸祭は上方の川で行われます。神輿、山笠の御神幸は写真の右側の岸(西岸)から降りてきて、川に入り約1時間ほど練り歩いて、左側の岸(東岸)に上がってお旅所に入ります。
写真の下方は夜のかがり火や芸能祭の会場になります。



  午後3時半ごろ、風治八幡宮の神輿が川に入りました。
この後、白鳥神社の神輿、11基の山笠が数分おきに川に入ります。最終的には13基の神輿、山笠が彦山川の中で練り歩きます。
川の両岸は数万人の観客でいっぱいです。上段(屋根のある席)は有料席、下段は無料席です。
会場の両岸は階段状に整備されていて、1時間前にはまだ座るスペースが十分あり、座ってゆっくり見物できました。



  水しぶきが涼しそう。
暑い中を進んでこられた神様も一息ついておられることでしょう。
しかし、5月の彦山川の水はずっと入っているとまだ冷たいそうです。
全員が肩に担いでいる青い袋は救命具ではありません。神輿が重いため、この肩当てがないととても担げないのです。



  風治八幡宮の神輿は西日本で最大級の大きさで、総重量2トンあり、60人で担ぐそうです。。
白鳥神社の神輿も川に入って、うしろで練っています。



  いくつかの山笠が入ってきてからも、神輿は練り歩いていました。

  第一番(当番)山笠 上伊田東
山笠も第一番から順に彦山川に入ってきました。



  第一番山笠 上伊田東
法被はどこかで見たようなデザインですね。新撰組の衣装を参考にしたそうです。
伝統のある祭りですが、装いは新しいものも取り入れているようです。





 
 
第二番山笠 橘
河岸でのガブリです。
進行の途中で、山笠を前後に大きくゆすりガブリます。



  第二番山笠 橘
橘地区は陸では法被を着ていますが、川渡りでは法被を脱いでさらしに短パン、上半身は裸になっています。
(上半身裸になるのは、他には第十一番の栄町だけです。)



  第三番山笠 新町
川に入る前に、陸でガブッています。



  第三番山笠 新町
新町のバレンです。山笠が進んだり、ガブリを行うたびにバレンがゆらゆらと揺れます。



  第四番山笠 鉄砲町
鉄砲町のバレンはやや濃い目の配色になっています。



  第五番山笠 番田
法被は白一色で、バレンもすっきりした配色です。



  第五番山笠 番田
山笠には中央にバレン、左右に20本前後の幟(のぼり)が立てられています。
白い幟には「風治八幡宮」「天下泰平」と書かれています。



  第五番山笠 番田
川の中でガブリが始まりました。



  第六番山笠 川端町
川端町は緑を基調にしているようです。



  第六番山笠 川端町
正面に白い2本の幟が立てられています。



  第六番山笠 川端町
力を合わせて山笠を動かします。



  彦山川に入った山笠もだんだん増え、水面もカラフルになってきました。



  あちこちでガブリあいが行われています。
山笠には、正面に指揮者2名、後ろ側に2名、屋根の正面に2名、屋根上に2名、中に囃子方5人前後が乗っているパターンが多かったように感じました。(これだけでも1トン近くになりますね)



  2〜4トンもある山笠が前後に大きく揺すられ、その度にバレンがゆらゆらと揺れ、美しさもひとしおです。



  場所を移動してはガブリが続きます。
まるで水面に浮かんでゆらゆら揺れる美しい熱気球のようにも見えました。


    ◆このページの先頭に戻る  ◆次のページ
    ◆トップページに戻る