田川市・後藤寺ひなめぐり(4)ギャラリー無量無辺 サイトマップ
銀天街をさらに北へと進み、サンシャイン通りに入った右角に「ギャラリー無量無辺」がありました。 (JR日田彦山線「田川後藤寺駅」のすぐ駅前、歩いて1分のところ。) NHKニュースでこの店の手作りのお雛さまが紹介されていたのが「後藤寺ひなめぐり」にやってきたきっかけでした。 ふつう雛人形は当然のことながら昔からの同じような人形が多いのですが、この店に並んだ人形は予想以上に個性的な表情で、自由な発想で作ることのできる手作りの創作人形の楽しさを実感することができました。 お店では手作り人形教室も開催していて、お店に並んでいる手作り人形の多くは講師の安藤富士子先生の作品だそうです。 毎年、雛祭りに合わせて先生の手作りの雛人形などを飾り、その後希望される方にお譲りしているそうですが、手作りのため数は限られるようです。 「後藤寺ひなめぐり」の数か所の会場をめぐり、伝統的な雛人形を眺めて春爛漫の雛祭りを楽しみ、手作り人形を眺めてその発想の自由さと見るものの意表をつく人形の表情の新鮮さを感じた一日でした。 |
「無量無辺」とはユニークでいい名前と感心したのですが、和小物雑貨などのギャラリーとはあまり縁のない言葉なのでその由来を聞くと、ご主人の命名によるものたそうです。男性の発想なら納得です。女性ならもっとカラフルなかわいい名前をつけることでしょうね。 |
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「桃の節句とひなまつり」イベント案内の絵 |
「酔いどれネコ」 なんと存在感のある人形でしょう。 貫禄のあるネコがどっかと座り、瓢箪の酒をグイと飲みながら「これはうまい!」とつぶやいています。 今日一日、精一杯働いて飲む酒はうまいことでしょう。 ネコの貫禄に押され、気の小さい私は写真を取るときに恐る恐る挨拶をして許可をいただきました。 |
「ウサギの雛人形」 かわいいウサギの内裏雛です。 |
晴れ着姿のネコの娘さんが空をキッと睨んでいます。 どの人形も頭には豪華な髪飾りが飾られ、着物もしっかり重ね着をして、どこも手抜きがありませんね。 昭和3,40年代のぬくもりとなつかしさを感じます。 |
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ネコの赤ちゃんですね。赤ちゃんもしっかり髪飾りをつけています。 安藤先生の作品には手足にかわいい肉球がついていますね。 |
大正ロマンを連想させる人形ですね。 |
「泣き鬼」 涙目の赤鬼と黒鬼。何か人生(鬼生?)の無常を考えているような……。 さびしそうな表情ですね。 |
純和風の個性的な表情の人形から一変して、こちらには今どきの女の子が爽やかな風情で椅子に座っています。 |
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桃の節句の雛祭りに晴れ着姿になって喜んでいるお嬢ちゃんですね。 |
白色と茶色の子馬です。前足をきちんと揃え、行儀よく立っています。 |
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「花魁(おいらん)」 花街で花魁が禿(かむろ)を従えて花魁道中のようです。 |
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「ふる里」 手にしているのは三味線ではなく沖縄の三線((さんしん),蛇皮線)ですね。 沖縄の娘さん(いなぐんぐゎ)がふる里を偲びながら子供の頃に覚えた唄を唄っているのでしょうか。 |
悠然と構えてコセコセオロオロとは無縁のようです。 昔は男性にこのようにどっしりと構えて猶予迫らざるタイプが多かったようですが、だんだんどっしり構える女性も増えてきているようです。 でも、いくつもの人形で遊んでいるところなどは優しい女の子ですね。 |
「お福コーヒー」 コーヒーをゆっくり楽しんでいるお福人形です。 仕事の合間にホッと一息ついています。 私はコーヒーより白酒の方がいいわという人も多いことでしょう。 |
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竹久夢二の「黒船屋」のモデルさん(笠井彦乃さん?お葉さん?)が黒猫を抱いてお店に来ていました。 |
桃の花を背景に、爽やかな表情の内裏雛です。 |
「陶雛(翔房舎) 岸本友子作」 陶器の内裏雛です。 |
「うさぎ雛 清水文 作」 手作り人形教室の会員の方の作品でしょうか。うさぎがかわいいですね。 |
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正月の風景でしょうね。羽子板とお人形をプレゼントしてもらったようです。 髪飾りや着物など、丹念に手を加えられているのがわかります。 |
「花の天使」 一転して現代のメルヘンに登場してきそうな人形です。 ネコの国の大親分や花魁、現代のお嬢さんや天使などと、先生の発想や表現の腕前はすばらしいですね。 |
今年はウマ年、今度はウマのお嬢さんに挑戦です。しかもわざわざ鼻を茶色にしています。 先生の腕だったら同じウマにしても顔をたとえば美しい白馬の如く白色一色にして、いくらでもチャーミングなお嬢さんの人形が作れるのに、自ら望んで難しい条件に挑戦しています。 手作りの創作人形なので好きなようにやるといっても、わざわざさらに困難な条件に挑戦するその発想力と気力には脱帽します。 |
つぶらな瞳には睫毛もていねいに植えられています。 着物の色や柄もぴったりで、髪飾りもかわいいですね。 |
こちらもウマの娘さんですね。顔の作りがワンパターンでなく実にユニークで、どの人形も表情が個性的ですね。 発想が柔らかく時には跳び弾けていて、枠に収まらない自由さを感じます。 発想が豊かで髪飾りなども実に細かいところまで心を配り、着物や帯の布の生地や柄などを選んで(探して入手して)ここまで丹念に手作りできる人は、今後探してもだんだん見当たらなくなっていくことでしょう。 |
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角が一本のかわいい鬼です。 右手に持った旗の絵はどうして作ったのでしょうか。 衣裳や飾りなど、隅々まで手を抜くことなく心を込めて作っているのがよくわかりますね。 |
爽やかな童ですね。 |
幼い子が着飾ってこれからお出かけのようです。うれしそうですね。 |
「クレイジーキルト」 一辺が2メートルもありそうな大作です。 |
店主の作品で、苦しいときに無我夢中で針を運んだそうです。 |
内裏雛を描いた美しい「ろうけつ染め」の暖簾が下がっていました。 |
「うさぎ姉妹」 ちりめんの布をどのように細工したら、ウサギの表情がこんなにかわいくなるのでしょうか。 晴れ着姿がうれしくて幸せいっぱいの姉妹ですね。 |
「ネコ雛」 ネコの内裏雛で、ふっくらとして落ち着いた表情をしています。 ここは昔風に男雛が向って右に座っています。 |
今どきのチャーミングなお嬢さんが 「みなさん、どうぞ人形を見に来てくださいね。 田川では5月上旬には「川渡り神幸祭」、11月には「コールマイン・フェスティバル(炭坑節まつり)」が開かれるので遊びに来てね。」と言っていました。 お店ではいつも人形教室やイベントが開かれ、元気な人たちの明るい笑い声に包まれているそうです。 おいしいコーヒーを(2杯も)いただきました。 自由な発想で(もちろんそれに見合う技術の習得が必要でしょうが)自分の作りたい人形の手作りに挑戦して、自分の発想を現実の形に表現していくのは難しいけれど、また楽しいことでしょうね。 いろんな表情の人形を見るだけでも本当に楽しいひとときでした。 |
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