「陶山神社」から小道をさらに数百メートルほど登っていくと、小山の上に「陶祖李参平碑」が建っています。途中の小道の両側はつつじやかえでなど緑の続く格好の散歩道です。やきものの里の窯場や町屋を眺めることができます。 大通りでやきものを眺めたり、有田町のあちこちを訪れているうちにやがて夕方5時になり、陶器市の歩行者天国も解除されました。最後にもう一度トンバイ塀の風景を眺め、数枚の皿をおみやげに有田町と別れました。 今年も天気にも恵まれ、有田陶器市の期間中に119万人の人出があったそうです。過去2番目に多い人出(最多は2003年132万人)で、9年連続で100万人を突破しました。多くの人たちが陶磁器の買い物を楽しみにして訪れているのですね。 |
陶山神社から「陶祖李参平碑」に続く小道 |
「陶祖李参平碑」 1916年有田焼創業300年を記念して、翌年大正6年(1917)に建立されました。 毎年5月4日に陶祖祭が催されているそうです。 |
「陶祖李参平碑」の説明文 「有田焼の祖である李参平公は、朝鮮国(現在の大韓民国)忠清道金江出身といわれ、1592年、豊臣秀吉が朝鮮へ出兵した時、鍋島軍に捕らえられ道案内などの協力を命じられたものと推定される。 李参平公は、佐賀藩祖鍋島直茂公が帰国の時、日本に連れてこられた。後に帰化し、出身地にちなんでその姓を金ケ江と名乗った。 初めは、参謀の多久安順に預けられ、小城郡多久村に住み、手慣れた焼き物の窯を起こしていたが、良い土に恵まれず、領内各地を探し歩いたという。 1616年ごろ、松浦郡有田郷三代橋に来て窯を築き、ついに泉山で最良の原料となる磁石を発見すると、上白川に移り住んで、純白の磁器を造り出した。これによって、日本で初めて磁器が焼成されたと伝えられる。 その後、この製造技術は、多くの陶工によって綿々と引き継がれ有田焼の今日の繁栄に至ったことは周知のことであり、李参平公は、有田の陶祖であるだけでなく、日本の窯業界の大恩人である。・・・・。」 |
小山からの有田町の眺めです。窯場や町屋が並んでいます。 この日は黄砂がひどく、数百メートル先の目の下の町もかすんでいました。 |
つつじが咲き、あちこちでうぐいすが鳴いていました。 |
この藤の花は大通り(「碗坂通り」)に面した家の前で、見事な房を垂らして咲いていました。 |
大通りの陶器市風景 |
大通りの陶器市風景 |
大通りの陶器市風景 |
大通りの陶器市風景 |
大通りの陶器市風景 |
大通りの陶器市風景 |
大通りの陶器市風景 魚をモチーフにしたプレートです。 |
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大通りの陶器市風景 |
大通りの陶器市風景 たぬき、ふくろう、かえる、・・。たくさん並んでいます。飲ん兵衛狸や招きかえるもいます。 有田の窯で焼かれているのは磁器製品ですが、陶器市にはお客さんのいろいろな要望に応えて近辺の窯で焼かれた陶器なども並べられています。 |
ここにも唐臼が設置されていたようです。 |
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昔、町の回りを流れる小川にはたくさんの唐臼(水礁)が並んでいたようですね。 |
唐臼の複製品(「有田町歴史民俗資料館」) 川堰から水を引き入れ、ゴットン、ゴットンと陶土の入った臼をついていたようです。 唐臼(からうす)は陶石の粉砕器で大型のものは原料を120〜180Kg入れることができ、江戸時代には、泉山、中樽、白川、岩谷川内などの渓谷に百数十箇所あったそうです。現在は電力を利用しています。 |
「有田町歴史民俗資料館」 ここには有田の陶磁器を中心にした歴史が展示されています。 |
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町内の多くの美術館、陳列館で有田焼の移り変わりや、うっとりするような名品をゆっくり眺めることができます。 ほとんどの施設が無料で、歩いてまわれる区域にあるのもありがたいですね。 |
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自分で絵を描き、自分だけの茶碗や皿を焼くこともできます。(ろくろを使って器を作って絵付けをしたり、あるいは絵付けだけをして、時間のかかる焼成は店でやってもらって後で送ってもらう方式が多いようです。) 友人仲間で、夫婦で、あるいは家族で焼くと、いつまでも楽しい思い出が残ります。 |
「西光寺橋」(トンバイ通りの裏通り) 大正8年(1919)に造られたそうです。川は流れていませんが、古い石橋がお寺の前に遺されています。 |
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窯の煙突 トンバイ通りの裏通りには、トンバイ塀やレンガ塀、窯の煙突が続いています。やきものの里・有田を象徴する風景ですね。 |
こちらはレンガ塀が続いています。 |
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レンガ造りの高い煙突がそびえています。てっぺんに木が生えているところも乙なものです。 |
こちらはトンバイ塀です。なぜか心が落ち着きますね。土の色、自然の色だからでしょうか。 |
夕暮れになりました。もう一度タンバイ塀を見て、最後に目をつけていたお皿を買って有田の町とお別れです。 次はぜひ美術館、陳列館をゆっくり楽しむことにします。 |
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