九州あちこち歴史散歩★福岡・宗像大社 みあれ祭                      サイトマップ

福岡・宗像大社 みあれ祭

  みあれ祭(さい)は毎年10月1日に宗像大社の秋季大祭の最初の行事として行われる海上神幸です。航海安全や大漁などを祈願する数百隻の漁船による勇壮な海上大パレードです。
宗像大社に近い神湊
(こうのみなと)港の周辺の岸壁や波止で見学できます。パレードは神湊には午前10時頃近づき、海上で勇壮な周回を繰り返し、10時半頃御座船が入港し、しばらくすると海のパレードは終わります。
(宗像大社の秋季大祭は10月1日〜3日)

みあれ祭(海上神幸)
  9:30 大島港出発
    鐘崎を目ざし、途中でUターンして神湊を目指す。
    10時頃神湊に近づき、沖合を周回する。
 10:30 御座船が神湊港入港
    港でお迎えの儀式、近くの頓宮に移り儀式
 11:20 頓宮出発(車)
 11:40 辺津宮(宗像大社)入御

駐車場
(1)駐車場は神湊港にありますが、それほど大きくない港に多くの見物客が集まりますので、1時間前だとすでに満杯になるかもしれません。
(2)港の近くに市営駐車場が新設されたそうです。
港の入口の「高嘉(たかよし)旅館」の地点で左(南)に入る。
(地図は「たかよし旅館」で検索してください。)
(3)宗像大社の大駐車場(1000台可能)に駐車して、路線バスで神湊港まで行く。(距離6Km、所要時間15分)
 ただし、路線バスは1時間に1〜2本程度で、増発はないそうです。

神湊港から宗像大社への道路は車による神幸行列が行われますので、路上駐車はきびしく取り締まられます。港周辺ではたくさんの交通整理の係員が案内していますので、その指示に従いましょう。



沖津宮と中津宮のお神輿は御座船に乗って大島を出発し、まず鐘崎を目指します。その2隻の御座船を宗像七浦の数百隻の漁船が取り囲み、守りながら進みます。
船団は鐘崎の手前でUターンして神湊を目指し、一方、辺津宮のお神輿を乗せた御座船も二人の姉神をお迎えに出港します。一年に一度だけ三姉妹がお会いになります。
神湊に近づくと港の沖合いを何度も周回しますが、数百隻の船が海を埋め尽くして進むようすは実に壮大で、海上の一大絵巻です。



宗像大社は沖ノ島にある沖津宮、大島にある中津宮、田島(本土)にある辺津宮の宗像三社の総称で、それぞれ海上安全を司る宗像三女神が祀られています。
(通常は宗像大社といえば港から6kmの地にある辺津宮を指します。)

  沖ノ島(沖合60Km) 沖津宮  長女 田心
(たごり)姫(別名:多紀理姫、三穂津姫)
  大島(沖合8Km)   中津宮  二女 湍津
(たぎつ)姫(別名:多岐津姫)
  田島(本土)    辺津宮  三女 市杵島
(いちきしま)姫(別名:狭依(さより)姫)
 
 (沖津宮のある沖ノ島は通常は立ち入り禁止です。
  中津宮は神湊港から大島への定期船(乗船時間15分〜25分)で容易に行けます。)



神功皇后が三韓遠征の際、宗像三女神の守護を受けて出兵し順調に帰国できました。その神徳を讃えたのがこの行事の始まりだそうです。これに大漁祈願が加わり、中世のころまで盛大に行われていました。
その後いつしか途絶えていましたが昭和37年に復活しました。



縦長の「国家鎮護宗像大社」の旗を掲げた船が御座船です。三隻の御座船を取り巻いて数百隻の漁船がエンジン音をうならせながら周回しています。



三女神は古事記によると、天照(アマテラス)大神と素佐之男(スサノオ)尊が誓約(うけひ)をして、アマテラスがスサノオの十拳剣(とつかのつるぎ)を譲り受けて生まれました。
全国各地に三女神を祀る航海安全の神社があります。安芸の宮島、厳島神社もこの三女神が祀られています。(主祭神は市杵島姫でこのためイツクシマ神社と称されたようです。)
古代から海上安全、航海安全は人々の最大の願いでした。



古代から玄界灘に面する壱岐、松浦、志賀島、宗像などは海人族の本拠地でした。宗像市は現在は福岡市のベッドタウンとして発展していますが、みあれ祭は宗像海人族のかつての活躍を彷彿とさせる祭りです。



三女神を祀った宗像・厳島系の神社は、日本で5番目に多く、そのほとんどが伊勢、志摩、熊野灘、瀬戸内海など大和から大陸へ行く経路に沿った所にあるそうです。昔からいかに航海が大変で、その安全が重要であったかがうかがえます。



漁船の舳先に大漁旗が翻ります。



パレードは肉眼でも楽しめますが、船団は安全上、港の沖合1キロ前後にしか近づきませんので、手元に双眼鏡があればさらに迫力のある絵巻を楽しめるでしょう。





源平時代の船はもう少し小さかったでしょうが、壇ノ浦の合戦もこのような情景だったかもしれません。



神湊港の沖合で約30分ほど一大ページェントを繰り広げます。
空には数機のヘリコプターが飛び交っています。



やがて御座船の集団が少しずつ港に近づいてきました。



先導船などの入港が始まりました。



うしろは大島〜神湊の定期フェリー船「おおしま」です。
神湊港と大島を25分で結んでいます。(旅客船は15分)
中津宮は大島の港のすぐ近くにあります。島巡りを兼ねて参拝するのも楽しいハイキングになるでしょう。



10時半ごろ最初の御座船が神湊港に入港しました。
入港する順序は決まっていると思われますが、はたしてどんな順に入港するのでしょうか。
 (1) 長女−二女−三女(年長の順)
 (2) 三女−長女−二女(辺津宮の三女が最初に入って姉を迎える)
このどちらかだと思いますが・・。
 (3) 三女−二女−長女(長女が最後に入る)
二人の妹が先に入り、姉を迎える。これもありですね。

正解は・・・
宗像大社にお聞きしたところ、正解は(1)でした。
ということは、これは沖津宮の田心(たごり)姫の御座船ですね。

沖津宮のある沖ノ島は、島全体がご神体とされ、通常は立ち入り禁止です。
沖ノ島は、大和朝廷が最高級の豪華な品々を奉献し、対外交渉にかかわる重大な国家的祭祀を行いました。「海の正倉院」といわれ、多数の祭祀遺跡が発見されており、12万点におよぶ出土神宝はすべて国宝重要文化財に指定されています。



続いて2隻目の御座船です。
中津宮の湍津(たぎつ)姫の御座船です。



三隻目の御座船が入港しました。
二人の姉神をお迎えにいかれた辺津宮の市杵島(いちきしま)姫の御座船です。



参加した漁船は色とりどりの大漁旗を掲げています。
大漁旗は色鮮やかで元気が出ますね。



入港した御座船や随行船が並んでいます。



御座船からお神輿が上陸し、港で出迎えの儀式が行われます。
この後、お神輿は近くの頓宮に移って儀式が執り行われ、終わると今度は御霊を入れた箱が車で辺津宮(宗像大社)に移され、こちらで3日まで多くの行事が行われます。



あれほど勇壮な海の一大絵巻が繰り広げられた海も、すでに船も去り、いつもの玄界灘に戻っていました。


   

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