5月19日に宮崎の日向灘に面した海岸にある江田(えだ)神社に行きました。 「筑紫の日向(ひむか)の橘の小門(おど)の阿波岐原(あわきはら)」は、古事記によると黄泉の国から逃げ帰ったイザナキノミコトがここでみそぎ祓いを行い、その時にたくさんの神が生まれましたが、最後にアマテラスオオミカミやスサノオノミコトなどのの三貴神が生まれました。 この場所が宮崎市の一ッ葉海岸の松林の中にある「みそぎ池(御池)」と伝えられています。 江田神社やみそぎ池の周囲の海岸はどこまでも松林が続いていて、南国らしい風景でした。 この時期、ちょうどみそぎ池のスイレン(睡蓮)が咲き始めていました。 |
イザナキノミコトがみそぎを行ったとされる「みそぎ池」のほとりに「御池」の石碑が建てられています。 |
池の縁には御幣が立てられています。 |
みそぎ池にはたくさんのスイレンの花が咲き始めていました。 |
花びらは白色、しべは黄色です。 (熱帯系のスイレンには青や紫色の花があるそうです。) |
スイレンの葉は水面に広がり、花もほとんど水面に咲いています。 (ハスは水面から数十センチほど上に伸びて葉が茂り、花も水面から立ち上がって咲きます。レンコン(蓮根)はハスの地下茎です。) |
江田神社の鳥居と参道。 宮崎市の一ッ葉海岸の松林の中にあります。 |
江田神社本殿。 江田神社は、古事記に語られている禊祓いの聖地に古くからあり、「続日本紀」「延喜式」などに社名がでているそうです。イザナキ、イザナミの国生み二神を祀っています。 |
江田神社の千木。 |
スイレンは午後の未(ひつじ)の刻に花を咲かせるので、別名をヒツジグサというそうです。 |
葉には深い切れ込みがあります。(ハスの葉は丸く、切れ込みはありません。) |
「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原」でイザナキノミコトがみそぎ祓いを行い、そのときにたくさんの神が生まれてくるが、全ての穢れが洗い落とされ清浄となった時、最後に左の目を洗われるとアマテラス、右の目を洗われるとツクヨミ、鼻を洗われるとスサノオの三貴神が生まれます。 イザナキはアマテラスに「高天原」、ツクヨミには「夜の世界」、スサノオには「海原」を治めさせますが、スサノオはそれから波乱万丈の人生をたどります。(神様だから人生ではありませんが、古事記に出てくる神様は死が避けられず、人間に近い存在なのです。) |
古事記に記された日向三代の神々たち。山幸彦、海幸彦もいます。 古事記によると神武天皇はやがて東征して大和の橿原の地で即位し、初代の天皇になります。 日向は出雲とともに神話の宝庫です。 |
スイレンの花は地下茎から直接伸びているそうです。 |
花は三日間の命ですが、次から次に池いっぱいに咲くので寿命が長いと思っている人も多いようです。 |
神話の世界のできごとに思いを馳せるのも楽しいものです。 |