宮地嶽神社の境内には「江戸菖蒲苑」があり、百種5万株の花菖蒲が植えられています。 また境内の参道や本殿前の広場には約1万本の花菖蒲がきれいに並べられています。 花菖蒲は江戸時代に盛んに栽培され、多くの品種が作られました。栽培された地域により、江戸系、肥後系、伊勢系のグループに分かれます。 「いずれがアヤメかカキツバタ」という言葉がありますが、区別がつきにくい代名詞になっています。 端午の節句の菖蒲湯に使われる「ショウブ」はサトイモ科の多年草で、花がきれいなのは花菖蒲(「ハナショウブ」)と「アヤメ」「カキツバタ」で共にアヤメ科の多年草です。「ショウブ」とこれらの花は葉が似ているために混同されてきました。 しかも菖蒲という漢字に「あやめ」と仮名がふられることもあるので、ますますわからなくなります。 今年の花の時期は例年よりやや遅いようで、私は好天に恵まれた6月9日に出かけました。 詳しい案内については 宮地嶽神社公式ホームページ に掲載されています。 |
宮地嶽神社境内にある江戸菖蒲苑です。5万本の花菖蒲が植えてあるそうです。 池のまわりには合掌造りなどの建物が移築され、格好の背景となっています。 |
ちょうど満開の時期でした。 好天が続き池の水は見えませんが、土は湿っているので大丈夫とのことでした。 |
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花菖蒲は花びら(花弁)の形によって、三英(三弁)咲き、六英(六弁)咲き、八重咲きがあるそうです。 三英(三弁)咲きは外側の花弁3枚が大きく発達したもの 六英(六弁)咲きは外側3枚と内側3枚の花弁が同じように発達したもの 八重咲きは(雄・雌)しべも花弁状に変化したもの この清楚な花は三英(三弁)咲きで、もっとも基本的な形ですね。 私は花菖蒲やあやめといわれると、この形の花を連想します。 |
宮地嶽神社の入口の階段から本殿までの通路には、花菖蒲が途切れることなく並んでいます。 本殿の境内も1万本の花菖蒲で埋められています。 |
北にまっすぐ伸びた参道を15分歩けば玄界灘に突き当たります。美しい松原と砂浜の宮地浜やその東の津屋崎海岸は夏は海水浴客で賑わいます。 記紀によると1600年前、神功皇后もこの宮地嶽山頂より玄界灘を眺めたそうです。 |
宮地嶽神社の楼門。 主神は息長足比売命(オキナガタラシヒメノミコト)=神功皇后です。 記紀によると、新羅出兵にあたって宮地嶽山頂より玄界灘を望み、開運を祈って出陣し勝利を得たそうです。 その宮地嶽の地に、1600年前に宮地嶽神社が創建されました。 |
本殿の注連(しめ)縄。 日本一の大注連縄だそうです。 重さ5トン 長さ13.5メートル 直径2.5メートル すごい大きさですね。 |
本殿前の広場には約1万本の花菖蒲で埋まっています。 水を張ったたくさんのプラントに植木鉢が並べられ、紫、白、黄などの美しい花を咲かせています。これだけ多くの花の水遣りやしおれた花を取ったりする世話は大変なことでしょうね。 |
三英(三弁)咲き、濃い紫の筋模様です。 |
花菖蒲は色とりどりの花が妍を競います。 |
六英(六弁)咲き、白地に細い脈模様。ビロードのような花びらで、やや垂れています。 花菖蒲の花の色は紫系、白、青、黄、ピンク、水色など。 花の模様は無地、覆輪、筋、絞り、脈、砂子、刷毛目など。 また花の咲く形は、平咲き、深咲き、垂れ咲き、玉咲き、爪咲き、台咲き、抱え咲き、などがあるようです。 花菖蒲は江戸時代から品種改良が重ねられ、数多くの色、模様、形の品種が作り出されています。 |
外側の花びら(外花被片)は白色、直立した内側の花びら(内花被片)は明るい紫の色違いの三英(三弁)咲きです。 |
花菖蒲の品種は2,000種ほどあり、筋や絞りなどの花の模様などを考慮すると5,000種とも7,000種ともいわれています。 |
本殿の横には数十種の江戸菖蒲の品種が展示されていました。 |
白の三英(三弁)咲き。 |
うすい紫地に青紫の筋が入った三英(三弁)の中輪です。淡い色が清楚な感じできれいです。 |
外花被片は白色、直立した内花被片は紫の絞りで、外と内の花弁の色、模様が異なっています。 |
六英(六弁)咲き、花びらの縁のほうが色が濃くなる覆輪で、なおかつ花びらの周辺がすべてきれいに巻いて、裏の濃い紫で縁取りされています。 |
色とりどりの花が咲いているのは花菖蒲苑の特徴ですね。 。 |
紅紫色の三英(三弁)咲きで、花びらは垂れています。 |
六英(六弁)咲きで、花弁はビロードのようです。 |
紫の色もいろいろありますね。 |
六英(六弁)咲きの大輪、覆輪。 |
なんときれいな景色でしょうか。 江戸時代の多くの殿様や侍が熱中したのもうなづけますね。 |
八重咲き、模様は覆輪。 八重咲きもあるのですね。 |
江戸菖蒲苑 今日は雨の心配もなく、きれいな花をゆっくり楽しめました。 |
江戸菖蒲苑 うっとうしい梅雨の晴れ間に、このような美しい花を見ると心も晴れます。 |